交通事故の交渉を弁護士に依頼するメリット

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交通事故は、示談で解決を計るケースが多いのですが、示談とは民亊上の紛争を当事者(被害者と加害者側)双方が話し合いで解決をすることです。

しかし、請求方法の基準となる慰謝料の算定基準がそれぞれ異なり、それによって慰謝料が大きくなることに注意しましょう。
慰謝料増額のために知っておくべきポイントをご説明いたします。

 

弁護士に依頼するメリット

まず、弁護士に示談交渉を依頼すると以下のようなメリットがあります。

■慰謝料の金額が増額する可能性が高い

慰謝料の金額は、一定の基準に基づいて算出されますが、保険会社(任意保険基準。任意保険基準)と弁護士基準(裁判所基準)とで使用している基準に大きな差があります。
示談交渉段階で、相手の保険会社から弁護士基準で金額が提示されることはほとんどありませんし、弁護士基準で計算したものと比較すると、数百万円単位で低くなっている場合もあります。
弁護士に依頼することによって、保険会社が提示してくる金額よりも高い慰謝料を、適正な理由を主張することができます。
また、休業補償や、後遺症逸失利益など、他の交通事故の賠償金についても弁護士に依頼することにより大きく増額される可能性もあります。

■適切な後遺傷害の等級認定を受けることが可能になる

治療が完了しても、不幸にも症状が残ってしまった場合、後遺障害の認定を受けることになります。
後遺障害は等級に応じて保険金が支払われるため、認定される等級で大きく金額が変わります。
後遺障害の認定を受ける際、後遺症診断書が必要になりますが、書き方によっては、本来認定されるべき後遺障害が受けられないこともありまので、弁護士に相談して適正な治療期間、適切な後遺障害等級認定を獲得することができます。

■示談交渉を任せることができる

もらい事故の場合、被害者が加入する任意保険会社が、被害者に代わって示談交渉をすることは通常なく、被害者自身が、相手方と交渉しなければなりません。交通事故処理のプロである加害者側の示談代理人である保険会社を、相手に直接交渉をしなければなりません。保険会社との煩わしい交渉を弁護士に一任できます。

■書類作成・損害請求項目に漏れがなくなる

交通事故被害にあった場合、加害者に損害賠償を請求することになりますが、保険金請求に必要な書類は、かなり多岐にわたります。交渉段階においてすべて提示されることはありません。本来、請求すべき項目を見落としたまま、示談の成立してしまうことも少なくありませので、適正な賠償を受けるためにも、弁護士に相談することをお勧めします。

■訴訟では、一定の弁護士費用が認められる

示談で、解決できない場合、裁判所による判断になります。
交通事故の損害賠償請求においては、弁護士報酬も損害として認められる場合があります。
損害として請求できる弁護士費用相当額は、原則として、裁判における損害賠償額の認容額の1割程度であるとされています。

交通事故の慰謝料とは、多くの場合、賠償金全体を指しているように思われますが一部を構成するもので、「精神的損害」に対する賠償金をいいます。

 

 

なぜ弁護士に依頼をすると慰謝料が増えるのでしょうか?

慰謝料の算定基準には、3種類あります。

■自賠責保険基準とは

自動車(バイク)の運転手に義務付けられている自賠責保険基準で、加入することを義務付けられている強制保険のため、事故被害者に対して、保証は必要最低限になっています。慰謝料は最も低く設定されています。

■任意保険基準とは

任意保険については、保険の自由化に伴い各社統一基準は廃止され、各保険会社個別の支払い基準を作成しています。(非公開)
明確な金額を記載することはできません。保険会社や事故状況によって大幅に金額が異なります。

目安としては、自賠責保険基準と弁護士基準との中間あたりの金額が設定されていることが多いようです。実際には保険会社によって違っているようです、しかし、弁護士基準と比べると、大きな開きがあるため、保険会社から任意保険基準での提示があったとしても、弁護士に相談することをお勧めします。

■東京三弁護士基準とは

弁護士基準は、交通事故の過去の判例をもと弁護士が損害賠償請求をする際の目安となるように作成された基準です。(裁判所基準)
弁護士基準は、実際の裁判でも重視されるほど信頼性が高く、裁判上での賠償額に近い数字であり、最も高い基準に設定されています。

弁護士が、被害者の依頼によって弁護士が保険会社と交渉するために使います。

傷害慰謝料については入通院期間を基礎として表1を使用し、傷害の程度などのより増額

別表1 入通院慰謝料

  入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
 通院53101145184217244266284297306314321328334340
1月2877 122162199228252274291303311318325332336342
2月5298139177210236260281297308315322329334338344
3月73115154188218244267287302312319326331336340346
4月90130165196226251273292306316323328333338342348
5月105141173204233257278296310320325330335340344350
6月116149181211239362282300314322327332337342346
7月124157188217244266286304316324329334339344
8月132164194222248270290306318326331336341
9月139170199226252274292308320328333 338
10月145175203230256276294310322330335
11月150179207234258278296312324332
12月154183211236260280298314326
13月158187213238262282300316
14月162189215240264284302
15月164191217242266286

 

別表2 入通院慰謝料表 むち打ち症で他覚症状がない場合

  入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
 通院356692116135152165176186195204211218223228
1月195283106128145160171182190199206212219224229
2月366997118138153166177186194201207213220225230
3月5383109128146159172181190196202208214221226231
4月6795119136152165176185192197203209215222227232
5月79105127142158169180187193198204210216223228233
6月89113133148162173182188194199205211217224229
7月97119139152166175183189195200206212218225
8月103125143156168176184190196201207213219
9月109129147158169177185191197202208214
10月113133149159170178186192198203209
11月117135150160171179187193199204
12月119136151161172180188194 200
13月120137152162173181189195
14月121138153163174182190
15月122139154164175183

〈運用上の注意〉
1.入院のみの場合:入院期間に該当する額
 通院のみの場合:通院期間に該当する額
 入院後に通院があった場合:該当する月数が交差するところの額
2.通院慰謝料は、隔日通院の原則を示す。したがって、通院実日が隔日通院より多い場合または少ない場合には、適宜増減して認定する。
3.入・通院期間に1ヶ月未満の端日数が生じた場合、その端日数については、各期間別慰謝料の金額を日割計算する。

 

下記の表を比べて頂ければ、弁護士基準がいかに高額になっているかお分かりいただけると思います。
慰謝料の査定基準の中で最も高い弁護士基準で交渉を行うためです。

 

自賠責保険基準と弁護士基準の慰謝料差額

▲等級 ▲自賠責保険基準の後遺障害慰謝料 ▲弁護士基準の後遺障害慰謝料 ▲差額
14級 32万円 110万円 78万円
13級 57万円 180万円 123万円
12級 93万円 290万円 197万円
11級 135万円 420万円 285万円
10級 187万円 550万円 363万円
9級 245万円 690万円 445万円
8級 324万円 830万円 506万円
7級 409万円 1,000万円 591万円
6級 498万円 1,180万円 682万円
5級 599万円 1,400万円 801万円
4級 712万円 1,670万円 958万円
3級 829万円 1,990万円 1,161万円
2級 958万円 2,370万円 1,412万円
1級 1,100万円 2,800万円 1,700万円

上記を見ても解る通り、1級になると1,700万円の差額が出ます。
自身で保険会社を交渉をしたとしても、慰謝料の基準を弁護士基準にするのは非常に困難になります。
そこで保険会社の特約の弁護士特約を使うのが良いでしょう。

 

弁護士に依頼せず弁護士基準で交渉はできないの?

保険会社のプロの交渉人を相手に、示談交渉が初めて方が、弁護士基準で交渉は、非常にむずかしいことだと思います。
弁護士基準の請求は、それなりの根拠が必要になります。
弁護士を立てずに、弁護士基準で支払ってほしいと交渉をしても、認められることはありません。
弁護士基準のの慰謝料は、弁護士が裁判を起こす前提で保険会社と示談交渉が成立します。

慰謝料を増額するためには、弁護士に依頼することが重要なポイントになります。