慰謝料の3つの基準と相場

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交通事故の損害賠償額については、3つの査定基準があります。

1:自動車損害賠償責任保険(自賠責)基準 人身事故に対する最低現の補償をしているため、算出基準は非常に低く設定されています。
2:自動車対人賠償保険(任意保険)基準  保険会社の独自基準にて算出されるもにで、自賠責基準を参考に各保険会社が独自に算出します。
3:弁護士会基準 裁判所の考え方や過去の判例を基に計算される基準で、一番高い基準です。

具体的に、交通事故に応じて、3つの慰謝料基準の相場がどのようになっているのかご説明いたします。

 

加害者が任意保険非加入の補償は?

加害者が任意保険非加入の場合は、加害者の自賠責保険に対し請求をし、自賠責による慰謝料を受け取る事になり、自賠責基準は、もっとも低い最低限の補償であるため、金額は決して高くありません。

 

自賠責基準による慰謝料相場とは?

たとえば、重度のむち打ち症(頚椎捻挫)で、レントゲンでも異常が認められ、治療日数30日の場合、4,200円(1日あたりの慰謝料)×30日=126,000円
これが自賠責基準による慰謝料相場です。自賠責の慰謝料相場は、明確な計算式が提示されておりますので、差は出ません。

 

保険会社の慰謝料初回提示金額は?

通常、交通事故によるけがの治療が終わった段階で、加害者側の任意保険会社から示談金の提示があります。

なぜ、治療後なのか、治療中にはまだ、治療費が発生してし続けているため、損害賠償の全容が把握できないからで、そして、症状固定時に「慰謝料」について提示されます。
慰謝料とはあくまでも交通事故によって負った精神的苦痛に対する補填ですので、示談金の一要素という位置づけになります。
※症状固定とは、後遺障害等級認定は、傷病が治った時以降に行います。治った時とは、医学上一般的に承認された治療方法を持ってしてもその効果が期待できず、残存する症状が自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達したことを指します

この際に提示される慰謝料は、任意保険会社が査定して提示してきますので、当然「任意保険基準」になります
任意保険基準は、民間の保険会社の基準ですので、基準的にはその基準は、非公開ですが、自賠責基準より少し多い程度であまり変わらないことが多いようです。
提示された慰謝料が相場に比べて高いのか安いのか判断ができないため、まず、自賠責の慰謝料相場と比較して判断するのがよいと思います。

任意保険基準による慰謝料相場とは?

重度のむち打ち症(頚椎挫傷)でレントゲンでも異常が認められ、治療日数30日の場合、自賠責基準とほぼ同程度の126,000円が想定されます。
これが任意保険基準の慰謝料相場となります。これよりも高い可能性もありますが、自賠責基準と同じ相場で同意してはいけません。

 

交渉の窓口が弁護士に変えるメリットとは?

弁護士会基準(裁判所の判例などをもとに、弁護士が損害賠償請求をする際の目安となるように作成された基準)が適用可能で任意保険での慰謝料の提示があった後、弁護士に示談交渉を依頼することで、弁護士基準が提示されます。

弁護士基準による慰謝料相場とは?

重度のむち打ち症(頚椎挫傷)でレントゲンでも異常が認められ、治療日数30日の場合、弁護士会基準である損害賠償額算定基準別表1によって計算すると、金額は280,000円になり、弁護士会基準で慰謝料を再算定するだけで慰謝料が、自賠責の慰謝料相場に比べ、弁護士会基準の慰謝料相場が2~3倍に増額する可能性があります。

別表1 入院慰謝料

  入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
 通院53101145184217244266284297306314321328334340
1月2877 122162199228252274291303311318325332336342
2月5298139177210236260281297308315322329334338344
3月73115154188218244267287302312319326331336340346
4月90130165196226251273292306316323328333338342348
5月105141173204233257278296310320325330335340344350
6月116149181211239362282300314322327332337342346
7月124157188217244266286304316324329334339344
8月132164194222248270290306318326331336341
9月139170199226252274292308320328333 338
10月145175203230256276294310322330335
11月150179207234258278296312324332
12月154183211236260280298314326
13月158187213238262282300316
14月162189215240264284302
15月164191217242266286

単位:万円

別表2 入院慰謝料(むち打ち症で他覚症状がない場合)

  入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
 通院356692116135152165176186195204211218223228
1月195283106128145160171182190199206212219224229
2月366997118138153166177186194201207213220225230
3月5383109128146159172181190196202208214221226231
4月6795119136152165176185192197203209215222227232
5月79105127142158169180187193198204210216223228233
6月89113133148162173182188194199205211217224229
7月97119139152166175183189195200206212218225
8月103125143156168176184190196201207213219
9月109129147158169177185191197202208214
10月113133149159170178186192198203209
11月117135150160171179187193199204
12月119136151161172180188194 200
13月120137152162173181189195
14月121138153163174182190
15月122139154164175183

単位:万円

[適応上の注意]

1.入院のみの場合 入院期間に該当する額
┗通院のみの場合 通院機関に該当する額
┗入院後に通院があった場合 該当する月数が交差するところの額
2.通院慰謝料は、隔日通院の原則を示す、したがって、通院実日数が隔日通院より多い場合または少ない場合には、適用増減して認定する。
3.入・通院機関に1ヶ月未満の端数日数が生じた場合、その端日数については、各期間別慰謝料の金額を日割り計算する。

 

後遺症・死亡の慰謝料の相場とは?

等級別の後遺障害慰謝料の相場

別表2 自賠責 東京三弁護士会

等級 自賠責 東京弁護士会

赤い本と指しているもの

1 1,100 2,800
2 958 2,370
3 829 1,990
4 712 1,670
5 599 1,400
6 498 1,180
7 409 1,000
8 324 830
9 245 690
10 187 550
11 135 420
12 93 290
13 57 180
14 32 110

単位:万円

死亡事故の慰謝料の相場

別表 死亡事故の慰謝料 (自賠責基準)

被害者本人の慰謝料 350万円
遺族の慰謝料 慰謝料の請求権者は、被害者の父母(養父母を含む)と配偶者と子供(養子、認知した子と胎児を含む)とし、その額は請求権者1名の場合550万円、2名の場合650万円、3名以上の場合750万円

なお、被害者に扶養者がある時は、上記金額に200万円を加算

 

死亡事故の慰謝料(かつての任意保険基準)

被害者が一家の支柱である場合、(その被害者の世帯が、主として被害者の収入によって生計を維持している場合) 1,450万円
被害者が18歳未満である場合(有職者を除く) 1,200万円
被害者が高齢者である場合、(65歳以上で、一家の支柱でない場合) 1,100万円
被害者が上記以外の場合 1,300万円

 

死亡事故の慰謝料 弁護士会基準

一家の支柱の場合 2,800万円
一家の支柱に準ずる場合 2,400万円
その他の場合 2,200~2,500万円

 

まとめ

上記のそれぞれの基準を見ても、自賠責基準・任意保険基準・弁護士会基準をくらべてみても慰謝料に関する3つの基準の中では、最も高めになっております。
被害者側は、この基準により、損害賠償請求をして、加害者側(保険会社)を交渉を行います、ただし、この金額は請求の目安であって裁判上もこの金額で認められるわけではないので、注意しておいてください。