後遺障害等級:第2級(1号~4号)認定の基準
交通事故の後遺障害等級2級は、視力の障害、手足の障害の4つに分類されており、第1級よりも等級は下がりますが、労働能力喪失率は、完全に労働能力を失ったと判断され、第1級同様に100%とされ、事故前と同じように仕事に就くこと、日常的な生活を送ることは出来ないと判断された状態です。
自賠責保険の、後遺障害等級別の件数構成比によりますと、後遺障害等級認定を受けた人の内、0.06%が、2級の認定を受けています(平成25年度)
後遺障害等級認定を受けることにより、自賠責保険の保障対象は、逸失利益と後遺障害慰謝料を損害賠償として請求することができます。
後遺障害等級2級の4つの認定条件
後遺障害第2級は、障害を負った部位によって4つに分類されています。
等級 | 部位 | 障害の程度 | ||
---|---|---|---|---|
ニ級 | 視力の障害 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になった | ||
両眼の視力が0.02以下になった | ||||
腕の障害 | 両上肢を手関節以上で失った | |||
脚の障害 | 両下肢を足関節以上で失った |
傷害部位と認定基準
片目が失明し、もう片方の眼の視力が0.02以下になった
交通事故の障害で片目の失明、矯正視力で0.02以下になってしまった場合に該当し、コンタクトレンズ、眼鏡よって矯正した後の測定値とします。片目が失明し、もう片方が矯正視力で0.02以下ということは、重い障害といえます。
後遺障害認定基準上の失明とは、眼球を摘出し明るさや暗さがわからない、また、ようやく明るさや暗さがわかる程度のことをいいます。失明には、光覚弁(明暗弁)や手動弁が含まれます。
※光覚弁とは、暗い部屋で被験者の眼前で照明を点滅させて、明るさや暗さが判別できる能力のことをいいます。
※手動弁とは、検者の手拳を被験者の眼前で上下左右に動かして、動きの方向を判断できる能力のことをいいます。
両眼の矯正視力が0.02以下になったもの
交通事故によって、両眼の視力が、矯正視力で0.02以下の状態です。片眼が0.02以下でも、もう片眼がそれ以上の視力の場合、等級は下がります。
両腕を手関節から肘関節の間で失ったもの
両上肢(両方の腕)を手関節以上で失ったものとは、
・肘関節と手関節の間において、上肢を切断したもの
・手関節において、橈骨及び尺骨と手根骨とを離断したもの(およそ手首から先を失ったもの)をいいます。
両脚を足関節から膝関節の間で失ったもの
両下肢(両方の足)を足関節以上で失ったものとは、
・膝関節と、足関節つまり足首の関節との間において下肢を切断したもの
・足関節において、脛骨及び腓骨とを離断したもの(およそ足首から先を失ったもの)をいいます。
後遺障害等級2級の損害賠償額の計算例
35歳の会社員
事故前の年収450万円
後遺障害等級級に該当したとして仮定した場合の後遺障害に関する損害額(弁護士会基準での計算)
後遺障害等級慰謝料・・・2590万円
逸失利益・・・7111万2150円
450万円(基礎収入)×1.0(労働能力喪失率)×15.8027(労働能力喪失期間32年間のライプニッツ係数)=7111万2150万円
まとめ
後遺障害第2級は、介護の必要はないとされていますが、労働能力喪失率は100%と、視力や、身体に深刻なダメージを残しているので、事故前の日常生活に戻る事はまず不可能なレベルの後遺症です。被害にあわれた方にとって、将来的に働いて必要な収入を得ることは難しいと思われます。将来的にかかるであろう金額についても、しっかり請求しましょう。
本来請求する権利を見落として居ないか、将来的に必要になる状況をしっかり想定出来ているか、など、1つ1つの項目が非常に大きな金額に直結します。弁護士に相談し、見落としがないように細部まできっちり計算して請求しましょう。